2021年8月12日、イオンリテール株式会社が提供する「イオンモバイル」が音声プランの追加値下げ及び新サービス発表。その詳細をお伝えします。
この記事のポイント
■ 一律220円値下げ
■ 国内通話はアプリ不要へ
■ 最大の強みは店頭サポート
■ キャリアスマホとのセット販売開始
■ その他仕様
■ 既存ユーザー(旧プラン)への対応
一律220円値下げ
出典:イオンモバイルホームページ
イオンモバイルは、音声通話ができるすべてのプランを一律220円値下げします。既存契約者、新規契約者両方が値下げ対象。既存利用者は2021年10月以降自動的に料金が値下げされます。
提供する回線は、ドコモとauの2回線。提供料金は引き続き同額です。
例として、格安SIMで人気のデータ容量3GBに注目。月額1,078円。業界最安値とはいきませんが、かなりおトクな利用料金です。
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出典:イオンモバイルホームページ
注目はこちらのシェア音声プラン。
基本となる1枚目のSIMのデータ容量を、他のSIMカードと共有できます。SIMカードは最大5枚目までシェア可能。ただし、4枚目、5枚目はSIMカード1枚につき220円かかります。
従来は、シェアするSIMカードに電話のできる音声機能を付けると、さらに月額770円が追加費用が必要でした。しかし、2021年10月以降は音声機能追加費用が発生しません。
こちらも1例。1回線目に12GB月額2,288円を契約。このデータ容量をシェアするSIMカードを4枚契約します。2枚目、3枚目は追加月額料金220円ずつ。4枚目は440円。合計月額3,168円。
12GBを単純に枚数分の4で割ると、1枚当たりのデータ容量は3GB。合計月額3,168円を同じく単純に4で割ると月額792円。
結果、3GBあたり月額792円になります。この3GB月額792円という料金は、nuroモバイル、HISモバイルに並ぶ業界最安値クラス。複数人で利用するという条件がつくものの、家族などで利用する場合はおトク。競合他社の同条件に比べても、競争力のある月額料金となっています。
ただし、イオンモバイルはあくまでもMVNO。楽天モバイル、UQモバイル、ワイモバイルと違い、お昼休みや通勤時間帯など通信が混み合う時間は、通信速度が低下する可能性があります。
価格を重視するか、通信品質を重視するか。ご自分の価値観にあわせて契約する通信会社を選択してください。
国内通話はアプリ不要へ
出典:イオンモバイルホームページ
国内通話は、スマートフォンに標準搭載されている電話アプリをから11円/30秒で利用可能。(大手キャリアは22円/30秒)
従来の「イオンでんわ」アプリを利用しても通話料は同額。
専用アプリを利用し忘れることにより、高額請求リスクがなくなります。
国内24時間かけ放題になる「フルかけ放題」月額1,650円が、2021年内サービス開始予定。1回の通話あたり10分まで、5分までが国内かけ放題になる「10分かけ放題」「5分かけ放題」が従来通り。
注意。ドコモ回線を利用している場合は、国内かけ放題に専用アプリの利用は必要ありません。通常の通話同様に、スマートフォンに標準搭載されている電話アプリを利用しても、国内かけ放題が適用されます。
しかし、au回線を利用している場合は異なります。au回線を利用している方が、国内かけ放題サービスを使って通話する場合は、従来同様に「イオンでんわ」アプリ利用が必須。利用し忘れると、国内かけ放題が適用されません。
国内かけ放題サービスを利用する場合は、「ドコモ回線」を選択することをおススメします。
最大の強みは店頭サポート
イオンモバイルの強みは、店頭サポート。
近くに取扱いのイオン店舗さえあれば、店頭申し込み可能。価格重視、でもオンライン専用は嫌。そんな方のニーズに応えます。ご高齢の方にも大人気。
出典:イオンモバイルホームページ
ご高齢の方に人気のスマホ「AQUOS sense4」の取扱いも開始。下り最大通信速度を500kbpsに制限される代わりに、通常の音声プランよりも月額料金の安い「やさしいプラン」の値下げになります。60歳以上限定プラン。
対象の方で、さらに価格を重視する方は検討してみてはいかがでしょうか。
キャリアスマホとのセット販売開始
出典:イオンモバイルホームページ
キャリアスマホとイオンモバイルのセット販売を開始します。
キャリアスマホとは、大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から発売されるスマートフォンのこと。これまでキャリアスマホは、キャリアの通信契約と一緒に購入する必要があるため、格安SIMとのセット販売はされていませんでした。
しかし、総務省によって2021年10月1日以降SIMロックが原則禁止。スマートフォンも通信契約と関係なく、単独で購入できるよう各キャリアに指導しています。
イオンは、各キャリアの販売コーナーを持つ、販売代理店でもあります。こうしたマルチキャリア代理店であること、総務省指導による外部環境の変化をもって、キャリアスマホとのセット販売に踏み切った形です。
ただし、問題もあります。キャリアスマホはガラケー時代からの慣習もあり、発売元のキャリアの周波数に最適化。競合他社の一部周波数を利用できない場合があります。
この問題に対してイオンモバイルは、各キャリアスマホとの動作確認結果を明示していくとしています。
【参考動画】
その他仕様
出典:イオンモバイルホームページ
イオンモバイルは、格安SIMで人気の機能を一通り提供。
■ 余ったデータ容量を翌月末まで繰り越し可能
■ 高速通信ON/OFF機能あり。低速通信モード利用時、最大200kbps、データ量カウントなし
■ 通信し始めの一定量は高速通信できるバースト通信利用可能
eSIMは未対応。
解約違約金、最低利用期間もありません。MNP転出料も撤廃。解約時、電話番号を他社に異動する場合でも、手数料はかかりません。
ややこしい通信速度制限ルールに注意
イオンモバイルには、月間データ容量上限とは別に、3日制限の仕組みがあります。
高速通信時、au回線の場合は3日で6GB以上利用すると通信速度制限がかかります。ドコモ回線でこの制限はありません。
低速通信時でも3日制限があります。タイプ1(ドコモ回線)は、低速通信時に3日で366MB以上利用すると通信速度制限になります。この制限を受けると、最大200kbpsより更に低速通信となり、データ通信はほとんどできません。
データ通信専用プランのみ、タイプ2(ドコモ回線)を提供。3日制限の仕組みはありません。
こんな人におススメ
■ 店頭サポートを必要とする方
■ 通信品質より価格重視の方
■ これからスマートフォンデビューする方
■ スマートフォンを外出先であまり利用しない方
値下げによってイオンモバイルの新料金は、シェア音声プラン、通話料ともに業界最安値クラスになりました。
詳しくない方でも、店頭サポートを受けることができるのは、イオン最大の強み。
通信品質よりも価格を重視する方はぜひ検討してみてください。