2021年3月4日、イオンリテール株式会社が提供する「イオンモバイル」が料金プラン全面リニューアルを発表しました。改定日は2021年4月1日。
この記事のポイント
■ 1GBきざみの新料金体系
■ やさしいプランも値下げ
■ 050かけ放題も値下げ
■ 最大の強みは店頭サポート
■ その他仕様
■ ややこしい通信速度制限ルールに注意
■ 既存ユーザー(旧プラン)への対応
1GBきざみの新料金体系
出典:イオンモバイルホームページ
イオンモバイルの新料金「さいてきプラン」は、1GB~10GBを1GBきざみで提供。(0.5MB~1GBのみ500MBきざみ)複雑に見えるものの、データ容量を1GB増やすと、プラス月額100円。複雑に見えて、シンプルな設計になっています。自分に最適な容量を契約することができて、月の途中でもデータ容量上限を変更することができます。
12GB以上の大容量は、「さいてきプランMORIMORI」として、引き続き安価な料金で提供します。
初期費用は、SIMカード代金(事務手数料相当額) 3,000円(税込:3,300円)。
提供する回線は、ドコモとauの2回線。提供料金は同一です。つながりやすさは同じですが、通信速度は異なります。格安SIM共通の特徴として、お昼休みや通勤時間帯、深夜22時など通信の混み合う時間は、通信速度が低下しやすくなります。
電話、SMS、データ通信ができる「音声プラン」、2台目以降の端末に容量をシェアできる「シェア音声プラン」、データ通信専用の「データ通信プラン」と3つの分類で提供。1台目のスマートフォン向けには、「音声プラン」が適しています。
格安SIMで人気のデータ容量は3GB前後。「さいてきプラン」では、3GB 月額1,180円(税込:月額1,268円)。従来の3GB 月額1600円前後の業界水準と比べると、約400円程度安くなっています。
新料金は決して高くないのですが、同時期に発表された「IIJmio」「nuro mobile」の新料金に比べると見劣りしてしまうのも事実です。
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タブレットなど、通信機器を2台以上持っている方には、「シェア音声プラン」はオススメ。
SIMカードは最大5枚目までシェア可能。ただし、4枚目、5枚目はSIMカード1枚につき200円(税込:220円)かかります。シェアするSIMカードに音声機能を付けるとさらに月額700円(税込:770円)かかるので注意してください。
通話料金は、20円(税込:22円)/30秒。
出典:イオンモバイルホームページ
「イオンでんわ」を利用すると、通話料金は半額(11円(税込)/30秒)。別途月額料金はかかりません。
1回の通話10分まで通話無料になる、10分国内かけ放題オプションは、月額850円(税込:935円)。
「イオンでんわ」は、専用アプリの利用が必要です。専用アプリを利用せずに、スマートフォンの標準電話アプリで発信した場合は、通常の通話料20円(税込:22円)/30秒になり、10分かけ放題も適用されません。利用の際には、十分注意してください。
やさしいプランも値下げ
出典:イオンモバイルホームページ
これからスマホデビューするシニアをターゲットにした「やさしいプラン」。
最大通信速度が500kbpsに制限される代わりに、安価な月額料金で提供することがコンセプト。こちらも値下げ。
やさしいプランSなら、3GBで月額1,000円をきって、月額980円(税込:1,078円)で利用することができます。
050かけ放題も値下げ
出典:イオンモバイルホームページ
イオンモバイルは、050番号を利用した24時間国内かけ放題サービスが提供しています。この月額料金も改定。
月額1,500円(税込:1,650円)を、月額980円(税込:1,078円)に値下げ。
050IP電話アプリサービスなので、アプリを利用しなければならない点、音声品質が通常の電話よりも劣る可能性がある点を理解して利用してください。
最大の強みは店頭サポート
月額料金ばかり注目されますが、イオンモバイルの強みは、店頭サポート。
格安SIMは店舗を持たず、Webでの販売が中心になります。しかし、イオンモバイルは、イオン店舗の一角にコーナーを構えて販売できるので、店頭でもWebでも申し込みやサポートが可能です。
店員さんに直接相談できるとあって、スマホのことがよくわからない、格安SIMも正直不安…という方や、シニアの方にも人気の格安SIMです。
その他仕様
出典:イオンモバイルホームページ
イオンモバイルは、格安SIMで人気の機能を一通り提供。
■ 余ったデータ容量を翌月末まで繰り越し可能
■ 高速通信ON/OFF機能あり。低速通信モード利用時、最大200kbps、データ量カウントなし
■ 通信し始めの一定量は高速通信できるバースト通信利用可能
フルMVNOではないため、eSIMには対応していません。
解約違約金、最低利用期間もありません。さいてきプランでは、MNP転出料も撤廃。解約時、電話番号を他社に異動する場合でも、手数料はかかりません。
ややこしい通信速度制限ルールに注意
イオンモバイルには、月間データ容量上限とは別に、3日制限の仕組みがあります。
高速通信時、au回線の場合は3日で6GB以上利用すると通信速度制限がかかります。ドコモ回線でこの制限はありません。
低速通信時でも3日制限があります。タイプ1(ドコモ回線)は、低速通信時に3日で366MB以上利用すると通信速度制限になります。この制限を受けると、最大200kbpsより更に低速通信となり、データ通信はほとんどできません。
データ通信専用プランのみ、タイプ2(ドコモ回線)を提供。3日制限の仕組みはありません。
既存ユーザー(旧プラン)への対応
既にイオンモバイルを利用している方は、2021年4月1日から自動で新料金に移行します。自分でプラン変更する必要はありません。
同じく料金改定する、「やさしいプラン」「050かけ放題」も同様です。
こんな人におススメ
■ 店頭サポートを必要とする方
■ これからスマートフォンデビューする方
■ スマートフォンを外出先であまり利用しない方
イオンモバイルの新料金は、安くなったものの、格安SIMの中でもっとも安いというわけではありません。
しかし、料金だけでなく、詳しくない方でも、店頭サポートを受けつつ、格安SIMを利用できることがイオンモバイルの強み。
通信の混み合う時間は、通信速度が低下する可能性を受け入れる必要があるものの、これからスマホデビューする方や、あまり外出先でスマートフォンを利用しない方にはおススメできる格安SIMになっています。