知っておきたい乗り換え基礎知識
■ 乗り換え先の電話番号を決める
■ MNP(携帯電話番号ポータビリティ)
■ SIMカード
■ SIMロック
乗り換え先の電話番号を決める
携帯会社を乗り換えるにあたって一番のポイントは「電話番号」。
乗り換え先の携帯会社で「新しい電話番号を利用」するか「利用中の電話番号を継続利用」をまず決める必要があります。多くの人が携帯会社は変えても電話番号を変えたくないと思うのではないでしょうか。
乗り換え先で「新しい電話番号を利用」する方は単純です。乗り換え元の携帯会社との契約を解約して、乗り換え先の携帯会社と新規契約を締結するだけ。
しかし、「利用中の電話番号を継続利用」、つまり今の電話番号を変えたくない人が大半なのではないでしょうか。この電話番号を変えないための制度が次に説明するMNP(携帯電話番号ポータビリティ)です。
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)
携帯会社を変えても、電話番号を変えなくて済む制度がMNP(携帯電話番号ポータビリティ)です。MNPは「Mobile Number Portability」の略。このMNPの手順が携帯電話の乗り換えの分かりにくい点。この先は乗り換え元をA社、乗り換え先をB社とします。
まずA社にB社に乗り換えることを宣言します。この宣言が「MNP予約番号の取得」です。A社にMNP予約番号の取得を依頼すると、10桁の番号をもらうことができます。
続いて取得した「MNP予約番号」を乗り換え先のB社に伝えて申し込みを行います。このMNP予約番号を利用することで、B社はA社の電話番号をB社でも利用できるようになります。
B社への電話番号の引継ぎが完了すると、A社の契約は自動的に解約となります。A社に解約申し込みをする必要はありません。
MNP予約番号には有効期限があります。この有効期限内にB社にMNP予約番号を伝えて申し込みをしないなど、有効期限が切れてしまった場合はMNP予約番号は無効になります。無効になった場合はA社の契約は継続となります。
「MNP予約番号取得をすること」=「解約をすること」ではありません。MNP予約番号を乗り換え先で利用することではじめて乗り換え元が解約となります。
SIMカード
SIMカードとは上記のようなICチップのついたカードのことで、「携帯電話会社の電波を利用するために必要な情報」が書き込まれています。このSIMカードをスマートフォンに挿すことで、スマートフォンは携帯会社の電波を使って通信ができるようになります。
新しいスマートフォンにはSIMカードをスマートフォンに挿して利用しましょう。
利用中のスマートフォンで利用する携帯会社だけを変更したい場合や自分で購入したスマートフォンで利用する場合は、古いSIMカード(乗り換え元携帯会社のもの)をスマートフォンから抜いて、新しいSIMカード(乗り換え先携帯会社のもの)をスマートフォンに挿し換えて利用します。
上記写真のようにスマートフォンには「SIMピン」と呼ばれる専用の器具が付属しています。これをSIMカードスロット横にある穴に挿してSIMカードスロットを取り出し、その上にSIMカードを置いて挿し換えます。
SIMカードのサイズは3種類。「標準SIM」「マイクロSIM」「ナノSIM」。利用するスマートフォンが対応するSIMカードの種類を必ず確認して、利用できるSIMカードサイズを選択しましょう。最近では「マルチサイズカットSIM」を採用する会社も増えており、これであればSIMカードの種類を気にする必要はなく、利用するスマートフォンにあわせたSIMカードにカットして利用することができます。
物理的なカードではなく、情報を書き換えるだけで利用可能な「eSIM」も登場してきています。こちらについて詳しく知りたい方は以下の動画もあわせてご確認ください。
SIMロック
SIMロックとは「利用できる通信会社のSIMカードを限定」すること。例えば、ドコモのSIMロックがかかったスマートフォンには、ドコモのSIMカードしか利用することはできません。
携帯会社を乗り換える際に既にもっているスマートフォンを流用する場合はこのSIMロックに注意しなければなりません。詳しくは次の章で「2.利用するスマートフォンを決めよう」でお伝えします。
【注意】2021年10月以降発売されたスマートフォンには、携帯会社によるSIMロックは原則禁止されました。
ココに注意
■ 手数料/初期費用がかかる
■ 乗り換え元の解約条件に注意
■ 乗り換え元の家族契約に注意
手数料/初期費用がかかる
異なる会社を跨ぐ乗り換えには手数料がかかる場合があります。
こうした手数料や初期費用は初月に請求されるので、初月の請求が高いことにびっくりする方がいます。請求を見て慌てないように手数料や初期費用は必ず確認するようにしてください。
乗り換え元の解約条件に注意
乗り換え元の解約条件には十分注意しましょう。
皆さんがまっさきに思い浮かべるのは「解約違約金」。昔の料金プランの2年定期契約の場合、解約可能月以外で解約した場合には解約違約金がかかる場合があります。しかし、2021年1月時点ではドコモは撤廃済み。auは2022年3月、ソフトバンクは2022年2月に撤廃します。これ以外の会社から乗り換える場合は、解約違約金には注意してださい。
次に注意したいのが「端末割引」。月々の端末(スマートフォン等)の分割支払いに対して、毎月割引がされている場合があります。解約をすれば毎月の割引がなくなり、月々の支払いが高くなる可能性がありますのでスマートフォン代金の支払い状況は必ず確認するようにしましょう。
乗り換え元の家族契約に注意
乗り換え元で家族グループを組んで、割引がされている場合も注意です。
家族のうち誰かが別の携帯会社に乗り換えた場合は、残された家族グループの割引金額が低くなることもあります。
家族の間で揉めないように、乗り換えをする際には家族に必ず相談するようにしましょう。