配線方式のポイントはこちら
■ なぜ配線方式が違うの?
■ 光配線方式
■ VDSL方式
■ LAN配線方式
■ おまけ
なぜ配線方式が違うの?
光回線サービスを自宅に提供する場合、物理的に光ファイバーケーブルを回線終端装置(ONU)まで引き込みます。
物理的に引き込むため、ケーブルルートの確保、配線通す穴開け、設備を設置するスペース確保など物理的な制約をクリアしなければなりません。
戸建ての向けの場合、その権限は持ち主にあるため、一定の条件をクリアしつつ許可をもらえれば自宅に光ファイバーを比較的容易に引き込むことができます。
しかし、集合住宅となると簡単にはいきません。集合住宅はオーナー、管理会社、入居者など関係する権利者が多く、すべての権利者から許可を取らなければ物理的な配線工事はできません。こうした集合住宅の意向を組みつつ、その中で提供可能な方法を考えた結果複数の配線方式がうまれました。
配線方式は集合住宅ごとに決まっている場合がほとんど。これを変更しようとすると、関係者の許可をとって通信会社と調整することが原則です。
光配線方式
光回線サービスで一番望ましい配線方式。戸建て向けはすべてこれに該当します。
その名の通り入居者の宅内、ONU(回線終端装置)まで光回線で接続されます。通信品質が最も安定しやすく、通信速度も速いことが期待でします。
新築集合住宅であれば、建築時に各部屋まで光ファイバーを敷設しやすいものの、既に建築された集合住宅で光ファイバーを配線しなおすのは大変な作業となります。上記で述べたように費用や工事だけでなく、関係者の許可を取るのが特に大変なため、なかなか実現しないのが実情です。
集合住宅でも、1部屋(1入居者)のために光配線を行う場合があります。集合住宅に住んでいるにも関わらず、戸建て向けのプランを提供してもらう形態です。利用料金も戸建てのものと同等となります。ですが、これも何度も言うより関係者の許可をもらう前提です。すべての集合住宅で戸建ての向けの提供を受けられるわけではありません。
VDSL方式
建築済み集合住宅で比較的多いのがこのVDSL方式。この特徴は既にある「メタルケーブルを流用」する点。
集合住宅の共用スペースまでは光回線を敷設して、その先につながる各部屋へは一般加入電話(固定電話)用のメタルケーブルを利用します。このメリットは新たに各部屋に光ファイバーを張り巡らせる必要がなく、工事範囲も共用スペースのみとなるため、工事が少なく、関係者の許可を取りやすいことが挙げられます。
デメリットとしては通信品質が低下しやすい点。共用スペースまでの光ファイバー区間は通信速度が速くても、メタルケーブルに変換されるところで通信品質は急激に低下します。さらに、この区間は入居者全員でシェアするため、集合住宅内の利用者複数人が同時にインターネットを利用していた場合にも通信品質が低下しやすい問題があります。
こうしたことからVDSL方式は月額料金が光配線方式に比べて安い特徴を持ってはいるものの、光回線サービスに求める通信品質を期待できないのが実情です。
LAN配線方式
最後は「LAN配線方式」。
集合住宅の共用スペースまでは光回線を敷設して、その先につながる各部屋へはLANケーブルを利用します。
この配線方式のメリットは「回線終端装置(ONU)」を部屋に置くなくて済む点。部屋の壁にあるLANケーブルを差し込み口にLANケーブルにルータ等を差し込むだけでインターネットに接続できます。物理的な機械を一つ置かなくてすむだけでもお部屋がすっきりしします。
デメリットはVDSL方式同様、LANケーブル区間を入居者でシェアすることになるため、通信速度が低下する可能性が高くなること。光回線サービスに望む通信品質を得ることができない恐れがあります。
おまけ
これまで解説させて頂いた配線方式は主に宅内の話になります。
CATV等の一部の会社では宅内の外でも「光回線と同軸ケーブル」をハイブリッドで利用している場合があります。この場合はどうしても光回線並みの通信品質は期待できません。しかし、それでも光回線を使っていることには違いないので、サービス名を「〇〇光」として販売されています。CATV系の光回線サービスを検討する場合には注意するようにしてください。