光回線によるインターネット接続サービスはNTT東日本、NTT西日本が圧倒的なシェアをもち、物理的な設備を保有しています。普通の一般企業にこれを構築することはできません。
一部を除くNTT以外の通信会社がインターネット接続サービス事業を行うためには、この2社から光回線を卸してもらう必要があります。この卸してもらう方法がいくつか存在するため、提供形態が複数存在しています。
提供形態はこちら
■ フレッツ+プロバイダー
■ 光コラボ(光コラボレーション)
■ ダークファイバー利用
■ 1社完結(NTTに依存しない)
フレッツ+プロバイダー
NTT東日本、NTT西日本の光回線サービス「フレッツ光」。この2社はプロバイダー(インターネット接続)は提供できません。
そこでフレッツ光とは別にプロバイダー契約を利用者自身にて行う必要があります。これが基本形となります。
それぞれと契約するわけですから、契約は2つ存在し、それぞれの会社から請求が届きます。解約時もそれぞれに申告する必要があります。
こうした背景の中で、利用者の利便性を追求するための仕組みがうまれました。それが「〇〇 with フレッツ」。〇〇にはプロバイダー事業者名が入ります(例:OCN with フレッツ)。窓口は〇〇のプロバイダー1社で引き受け、請求も〇〇のプロバイダー1社から発生します。利用者が2社へ申し込みをして、2社へ支払いをする手間を減らすことが目的。ただし、この仕組みの欠点はあくまでも契約は2社に行うため、契約変更や解約などの申し込みは利用者自身でそれぞれの会社へ連絡して行わなければなりません。
どちらか一方への連絡を忘れ、契約が残り続けると、利用していないのに利用料を支払い続ける必要がありますのでご注意ください。
現在はこの提供形態は主流ではなくなりました。この提供形態は直接NTT東日本、NTT西日本にフレッツ光を単独で申し込みをする場合のみとなります。
光コラボ(光コラボレーション)
現在主流なのがこの販売形態。「光コラボレーション」、通称「光コラボ」と呼ばれるものです。
上記の通りNTT東日本とNTT西日本は直接契約する形態を基本としていただのですが、販売が伸び悩みむ一方で多額の販促費に悩んでいました。この状況を打破すために生まれたのがこの「光コラボ」。
フレッツ光を事業者に卸して、卸を受けた事業者がプロバイダ機能とセットで利用者に一元提供します。この事業者のことを「コラボ事業者」と呼びます。代表的な光コラボによるサービス名は以下の通り。
携帯会社系:ドコモ光、ソフトバンク光、楽天ひかり
老舗プロバイダー系:OCN光、ビッグローブ光、SO-net光、nifty光、ぷらら光 等
既存の「with フレッツ」と分けるために「〇〇光」というサービス名を採用している事業者がほとんど。名前を見ただけでは分かりませんが、アクセスラインを自前で持たない事業者のほとんどがこの「光コラボ」を利用しています。
ダークファイバー利用
同じNTTから光回線を卸してもらうにあたり、特殊なケースがこちら「ダークファイバー利用」。
光コラボは「フレッツ光サービス」をそのまま卸してもらうのに対して、こちらは物理的な光ファイバーだけを借りるイメージ。NTTが余剰で抱えている光ファイバーはダークファイバーと呼ばれ、これを利用します。
このメリットはサービス設計を自分たちでコントロールできるため、フレッツ光に比べて高い通信品質を実現できます。ただし、NTT局舎内に伝送装置などの設備投資が必要になるため、この提供形態を一般利用者向けに提供する事業者は極めて少ないです。代表的な提供サービスは「NURO光」「auひかり(関東エリア以外」。
auひかりを提供するKDDIは関東エリアのみ自前の光ファイバーを持っているのですが、これ以外のエリアはNTTのダークファイバーを利用することで提供しています。
この提供形態のデメリットは納期と工事費。通常のフレッツ光を利用する形態に比べると工事工程が増える、時間がかかる場合があります。工事費もフレッツ光と比べると高くなります。解約時の撤去費用も発生するので気を付けましょう。以下の動画はダークファイバーの開通が遅い理由を解説したものになりますので、あわせてご確認ください。
1社完結(NTTに依存しない)
この形態は文字通り1社完結。NTTの光ファイバーに頼ることなく提供されます。サービス内容も通信品質も自分たちですべて設計、コントロールされます。
この形態で光回線サービスを提供できる会社は限られ、前章で解説した通り「電力会社」「CATV」がこれにあたり、提供エリアは限られます。代表的なサービス例は以下の通り
電力会社系:auひかり(関東エリア)、イオ光、コミュファ光、BBIQ光 等
CATV系:J:COM、itscom 等
電力会社、CATVに属する会社でも「光コラボ」「ダークファイバー」を利用している場合があります。特に、東日本エリアではNTTの利用率は高く1社完結型は極めて少ないのが実情です。