光回線サービスホームページ等で目にする、「転用」「事業者変更」という言葉。皆さんは、この言葉の意味を正しく理解していますか?
ポイントはこちら
■ 光コラボレーションモデル
■ 転用とは
■ 事業者変更とは
■ コラボ事業者が提供しないフレッツ光オプションサービスの扱い
■ 【注意喚起】悪質勧誘
光コラボレーションモデル
「転用」「事業者変更」は、NTT東日本、NTT西日本の提供する「光コラボレーションモデル」に関する言葉です。
「フレッツ光」をご存じでしょうか。NTT東日本、NTT西日本が提供する光回線の「サービス名称」です。「フレッツ光」の提供エリアは広く、全国的な規模で光回線を提供できるサービスは、日本でこれだけといっても過言ではありません。
「フレッツ光=インターネット」と広く認知されていますが、正確には異なります。「フレッツ光」は、インターネット入口までの「道」でしかなく、この道とインターネットをつなぐ役割を担うのが「プロバイダー(ISP)」です。
NTT東日本、NTT西日本は、NTT法によってプロバイダー機能を提供することを禁止されています。ゆえに、フレッツ光を利用する際には、別途プロバイダーと契約しなければなりません。
現在の主流は、こちらの図にある「光コラボレーション」モデル。
プロバイダー機能を提供する事業者が、フレッツ光を卸してもらい、プロバイダー機能とセットで利用者に一元提供します。この事業者を、「コラボ事業者」と呼びます。
コラボ事業者を通じて、フレッツ光とプロバイダー機能を利用する主なメリットは以下の通り。
■ 利用料金が安くなる
■ コラボ事業者独自のサービス、割引を受けることができる
■ 契約先はコラボ事業者のみ
■ コラボ事業者間の乗り換えが容易
特に、料金面が安くなる点が最大のメリット。直接フレッツ光を利用する従来の形態と比べると、戸建ての向けの場合、月額料金が約1,000円以上安くなります。
人気のコラボ事業者による、光回線サービスはこちら。(一部)
大手携帯会社が提供する、ドコモ光、ソフトバンク光、Rakuten(楽天)光。老舗プロバイダーが提供する光回線サービス等が人気です。これらの詳しい内容は、こちらからご確認ください。
転用とは
「転用」は、【既にフレッツ光を自宅で利用している人】が、そのままフレッツ光を利用して、コラボ事業者の光回線サービスを利用するための仕組みです。
コラボ事業者の光回線サービスに乗り換えるにあたり、同じフレッツ光回線をわざわざ敷設しなおすのは、お金も手間もかかります。
転用を利用すれば、既にあるフレッツ光回線を「再利用」可能。コラボ事業者の提供する光回線サービスとして、引き続き利用することができます。
この場合、開通工事費用は無料。初期費用は、契約事務手数料(相場は約3,300円)のみとなることがほとんどです。
「転用」の手続き方法については、こちらのNTT東日本の公式ホームページを参考にしてください。
事業者変更とは
「事業者変更」は、「コラボ事業者」から「コラボ事象者」へ乗り換えることを言います。対象になるのは、【既存でコラボ事業者の光回線サービスを利用している人】です。
光コラボレーションモデルスタート時は、この「事業者変更」の仕組みはありませんでした。以前は、「コラボ事業者」から「コラボ事象者」へ乗り換える際は、同じフレッツ光回線をわざわざ引き直す必要がありました。
しかし、コラボ事業者による光回線サービスが普及した現在では、この需要が増加。再び、開通工事をすることなく、既存で敷設されたフレッツ光を利用する「事業者変更」が可能になりました。
「事象者変更」の手続き方法については、同じくこちらのNTT東日本の公式ホームページを参考にしてください。
コラボ事業者が提供しないフレッツ光オプションサービスの扱い
フレッツ光は、基本となる回線という役割のほかに、電話やテレビなどオプションサービスを提供しています。ですが、すべてのオプションサービスが、コラボ事業者によって提供されるわけではありません。
一例は、家庭向けIP電話サービスの「ひかり電話」。コラボ事業者は、このサービスも卸してもらい、自社サービスとして販売することが可能です。ただし、これを提供するしないの判断は、コラボ事業者側が判断します。提供は、必須ではありません。
そもそもコラボ事業者が取扱うことのできない、オプションサービス(フレッツ・テレビ等)もあります。
これらは、「転用」もしくは「事業者変更」時に、強制解約にはなりません。NTT東日本、NTT西日本と引き続き直接契約を継続させて、提供を受け続けることが可能です。この場合、対象のオプションサービスは、引き続きNTT東日本、NTT西日本から請求されることなり、コラボ事象者からは請求されません。問い合わせ先も、直接NTT東日本、NTT西日本となり、コラボ事業者は対応しません。
ここは非常にややこしい点になるので、十分注意するようにしてください。
【注意喚起】悪質勧誘
「転用」「事業者変更」の事務処理に必要な情報が、「転用承諾番号」と「事象者変更承諾番号」。コラボ事業者は、この承諾番号を利用して、サービスの申し込み手続きを進めます。
悪質な業者は、NTTを名乗って、この承諾番号をヒアリングします。目的は、取扱いのコラボ回線を販売することです。
NTTが転用承諾番号をヒアリングすることはありません。もしこうした勧誘を受けた場合には、勧誘を断るようにしてください。
まとめ
「転用」「事業者変更」は、コラボ事業者が既存のフレッツ光を再利用する仕組みです。
コラボ事業者による光回線サービスを利用する際には、この意味を理解しつつ、検討や申し込みをするようにしてください。